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長江や廃鉱山の水で冷房 中国で広がる省エネ型の暑さ対策

漢口浜江国際ビジネス区の長江水源エネルギーステーションで、冷暖房システムの稼働状況を確認する職員。

【新華社武漢9月4日】夏の猛暑や熱波が世界的な課題となる中、中国では、河川や廃鉱山の水、都市の緑地など地域の資源を生かし、従来型の空調だけに頼らない暑さ対策を進める動きが広がっている。

湖北省武漢市では今年、長江の水を利用した集中冷暖房プロジェクトが試験運用を始めた。運営会社によると、漢口浜江国際ビジネス区のエネルギーステーションでは、長江の川底から約5メートル上にある水を取り込む。水温は23~29度で、35度を超えることも珍しくない武漢の夏の気温を大きく下回る。取り込んだ水は多段階でろ過した後、ヒートポンプを使って建物側と熱交換する。夏は建物の熱を川へ逃がし、冬は逆に長江の水から熱を取り出して暖房に利用する。

漢口浜江国際ビジネス区の長江水源エネルギーステーションにある取水ポンプ場。

本格稼働後は、標準炭換算で年間7374トンの省エネとなり、二酸化炭素(CO2)排出量を1万8千トン削減できる。105万本の木を植えるのと同程度のCO2削減効果があるという。

水の温度差を利用したシステムは、ほかの都市でも導入が進んでいる。江蘇省徐州市では7月、中国初となる廃鉱山の水を使った集中冷房プロジェクトが稼働した。年間を通じて十数度に保たれる坑内水を熱交換に利用し、冷やした水を住宅の床暖房用配管に流して室内を冷やす仕組みで、水そのものは消費せず、エネルギー消費量を約50%削減できるとしている。

漢口浜江国際ビジネス区の長江水源エネルギーステーションで、地下10メートル余りに設置された機械設備。

こうした取り組みは、2030年までにCO2排出量を減少に転じさせ、60年までに実質ゼロを実現するという中国の「双炭(ダブルカーボン)」目標とも合致している。

都市の緑地も暑さ対策の一つだ。21~25年には、中国各地で1万8千カ所以上の小規模公園「ポケットパーク」が整備され、ヒートアイランド現象の緩和に役立っている。

湖北省武漢市武昌区の蛇山にある防空施設を活用した避暑スポットで涼をとる人々。

中国中信建築設計研究総院の陳焰華(ちん・えんか)顧問総工程師(アドバイザーチーフエンジニア)は、長江の水や廃鉱山の水、公園など地域の資源を生かす動きについて、中国の都市の暑さ対策が、その場しのぎの対応から、都市全体で暑さを抑える取り組みへ変わりつつあると指摘する。電力消費の大きい空調だけに頼るのではなく、自然の冷熱源と省エネ技術を組み合わせ、個別の対策から都市全体を見据えた整備へと移行しているという。

陳氏は、こうした取り組みについて、高温が頻発する都市にとって広く応用できる新たな考え方だとし、「電力を使って涼しさを生み出す」ことから「自然の力を借りて温度を下げる」ことへの転換であり、市民生活に直結するものだと述べた。(記者/楽文婉、龔聯康、熊翔鶴)

湖北省武漢市武昌区の蛇山にある防空施設を活用した避暑スポットで卓球を楽しむ人々。